一人親方労災保険
制度内容
一人親方労災保険とは?
- 事業主兼労働者である一人親方でも
労災保険の加入が可能です。 - 本来、労災保険は事業所の従業員など“労働者”の業務災害や通勤災害に対して補償をおこなうことを目的とした制度です。 そのため、ご自身が事業主にあたる“一人親方”は保険加入対象には含まれません。
しかしながら、建設業などの一人親方は業務の実態や災害発生状況が限りなく労働者に近いため、 国は労働者ではない一人親方に対しても特別に労災保険の加入を認めています。
その制度を『一人親方労災保険特別加入制度(一人親方労災保険)』といいます。
なお、一人親方労災保険は労働局より承認を得た『一人親方労災保険特別加入団体』を通じて加入する必要があります。
一人親方労災保険の重要性
- 自分の身は自分で守る。
今後さらに重要度が増す一人親方労災保険。 - 最高裁判所の判決により、現場において労働者的扱いを受ける一人親方であっても 「一人親方は元請の労災保険の対象とはならない」という事実が再確認されました。 それにより、現場に入る際に一人親方であれば「労災保険の加入の有無」が仕事の受注に大きく影響する可能性があります。
建設業界は雇用形態や業務区分が非常に流動的であり、昨日までは労働者だった方が今日からは一人親方になることもあり得ます。 他にも、給与支払いを受けていた方が請負契約を余儀なくされることもあります。 事実として建設産業人口が減少傾向にあるにも関わらず一人親方労災保険加入者数については年々増加するばかりです。 だからこそ、一人親方労災保険に加入して「自分の体は自分で守る」ことが大切なのです。
一人親方労災保険の主な制度内容について
- 1国が行う公的保険制度だから安心・確実
- 2掛金は全額が社会保険料控除の対象
- 3業務災害・通勤災害における治療費や入院費は自己負担ゼロ
- 4傷病が治癒するまで給付が継続
- 5休業補償は給付基礎日額の80%を補償(特別支給金を含む)
給付内容
一人親方労災保険給付の内容
一人親方労災保険の加入者が業務・通勤災害にあった場合は労働基準監督署の認定により給付されます。
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- 給付種別
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給付事由給付内容
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- 療養(補償)給付
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加入者が業務上のケガや病気により、病院で治療を受けた場合の医療費が支給されます。給付基礎日額に関わらず、治療にかかる医療費全額
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- 休業(補償)給付
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加入者が業務上のケガや病気による療養のために、業務に服することができない時に休業した4日目から支給されます。※休業最初の3日間は待機期間となり支給されません。1日につき、給付基礎日額の60%と特別支給金として20%、あわせて80%相当額が支給されます。
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- 遺族(補償)給付
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遺族(補償)年金
加入者が業務上のケガや病気で死亡した場合に支給されます。
業務上の死亡は即死の場合だけでなく、 ケガや病気により療養(補償)給付等を受けていた方が悪化により死亡した場合にも給付されます。
支給額に関しては遺族の人数(受給資格者)によって決定され、年金として年間6回に分けて妻は終身、 子供は18歳になるまで支給されます。遺族1名:給付基礎日額の153日分
遺族2名:給付基礎日額の201日分
遺族3名:給付基礎日額の223日分
遺族4名:給付基礎日額の245日分※それぞれ年額になります。遺族(補償)一時金
遺族(補償)年金を受け取る遺族がいない時や遺族(補償)年金受給権を失権し、 既に支給された額が給付基礎日額の1,000日分に満たない場合にその差額が支給されます。給付基礎日額の1,000日分(年額)
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- 葬祭料
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加入者が業務上のケガや病気で死亡した場合、葬儀をおこなった方に対して支給されます。(遺族以外の方でも請求可能)・¥315,000+給付基礎日額30日分
・給付基礎日額の60日分※上記のうち、いずれか高いほうが支給されます。
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※上記給付事由の業務上とは業務災害または通勤災害を指します。
※上記以外にも障害補償給付、傷病補償年金、介護補償給付などの給付制度もあります。
メリット
労災加入証の毎年度無料配布
一人親方労災保険に加入していることの証明となる、“一人親方労災保険特別加入加入証”を毎年度無料配布いたします。 財布などに携帯できるサイズであるため、元請への提示や万が一の労災事故発生時にも病院の窓口で提示し、 ご自身が一人親方労災保険に加入していることを証明することができます。
労災上積み補償制度への加入
重篤災害時や死亡時には労災保険だけでは決して十分とはいえない給付金を上積みするための制度が(一社)全国建設業労災互助会の“労災上積み補償制度”です。(一社)全国建設業労災互助会は厚生労働大臣許可の一般社団法人であり、全損保8社と契約している安全確実な制度です。
尚、本来この労災上積み補償制度とは事業主等が労働者の為に加入する共済制度であり、 特別加入をされる一人親方の方が独自で加入できる制度ではありません。 しかしながら当建設組合が参画している(一社)日本建設組合連合では(一社)全国建設業労災互助会との契約により、 特別に一人親方でも加入することが可能になっています。
労働安全衛生講習会への毎年度無料参加
組合では労働安全衛生コンサルタントなどのプロの講師を招いて、毎年度“労働安全衛生講習会”を開催しています。現場で「自分のことは自分で守る」ための知識を得ることができる内容となっており、その講習会に無料で参加することが可能です。また、講習会と併せて健康診断(有料)を受診することもでき、ご自身の健康管理もバッチリです。
各種作業主任者講習会等イベントへの参加
労働安全衛生法では、危険・有害な各種作業を行う場合に「作業主任者技能講習」を修了した者(作業主任者という)を現場にて選任することが義務づけられています。 組合では毎年度、都道府県労働局長が指定する指定教習機関とのタイアップにより各種作業主任者講習会を開催し、労働災害防止の推進と組合員の方の技術向上を図っています。
労働安全衛生マニュアルの毎年度無料配布
加入時及び年度更新時には近年の建設業における労働災害発生状況やその対策など、「自分のことは自分で守る」知識を得るために役立つ“労働安全衛生マニュアル”を無料で配布いたします。労働安全への意識を高く持ち、ゼロ災害を目指しましょう。
保険料の仕組み・試算
一人親方労災保険給付の内容
一人親方労災保険の加入者が業務・通勤災害にあった場合は労働基準監督署の認定により給付されます。
給付基礎日額とは労災保険料や給付額を決めるための目安になるもので、一般の労災保険でいう所の労働者の「平均賃金」に当たります。労働者であれば事業主より支払われた賃金にもとづいて平均賃金を算出することができますが、一人親方については現場に出ることによりその対価として収入を得るため、仕事がある時とない時で収入が変動し、平均賃金を算出することができません。
そのため一人親方労災保険では、加入者が自身の所得水準(平均賃金)に見合った適正な額、すなわち「給付基礎日額」を選択することによって保険料等が決定します。
給付基礎日額の種類は、『3,500円~25,000円』までの16種類ですが、県によっては給付基礎日額の下限が¥4,000~¥6,000に設定されている場合があります。また、給付基礎日額を高く設定すれば給付は手厚くなりますが、比例して保険料も高くなります。
一人親方労災保険保険料シミュレーター
加入を希望される方は下記のシミュレーターを実行してください。
加入資格・加入手続
一人親方労災保険の加入資格
一人親方労災保険の加入者が業務・通勤災害にあった場合は労働基準監督署の認定により給付されます。
- A一人親方として建設業をおこなっていること
- B一人親方として建設業をおこなう方と同一生計の家族従事者(専従者)であること
- C建設の事業所で建設業をおこなっているが、労働者(従業員)ではなく、外注扱いまたは報酬払いであること
新規加入手続きの流れ
一人親方労災保険の加入手続きに関しましては、①~④のお手続きをおこなうことで完了となります。
※一人親方労災保険については、月の途中からでも加入可能です。
※一人親方労災保険料等掛金についてはこちらから
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- 1組合にお電話
- 組合までお電話にてご連絡ください。加入必要書類等をご案内いたします。
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- 2書類の郵送
- 加入必要書類をご用意の上郵送にてご提出ください。
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- 3コンビニでお支払い
- 払込票(ハガキ)をお送りいたします。お近くのコンビニにて、支払い期限内にお支払いください。
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- 4口座情報の登録
- 払込票に記載されているQRコードをスマートフォン等で読み取り、口座情報をご登録ください。
資格発生日
新規加入手続きの流れに記載されている①~④のお手続きを、当月20日(20日が非営業日の場合は前営業日)までにおこなうことで、翌月1日から資格が発生します。
なお、お急ぎの場合は、月途中からの資格発生が可能です。詳しくはお電話にて組合までお問い合わせください。
加入必要書類
- 建連国保加入者の方
- 建連国保未加入者の方
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- 建設組合加入申込書
- 一人親方労災保険(特別加入)加入申込書
- 身分証明書のコピー
(住民票・運転免許証・健康保険証など)
- ※加入者本人の氏名・住所・生年月日等の情報を確認させていただきます。
※状況に応じてその他の書類(確定申告書や請負契約書など)の提出を依頼する場合があります。